長年の想いをカタチに。店舗建築「久遠プロジェクト」
富山県砺波市 割烹久遠様
店舗

砺波市柳瀬にある、日本式道楽割烹「割烹久遠」様の建築を手がけさせていただきました。店主の近江清さんは、北陸エリアで数々の飲食フランチャイズを展開されている、バイタリティあふれる経営者。その生き方や会話から、多くの学びや気づきを与えてくださる方です。「中小企業家同友会 となみ野支部」の仲間というご縁から、お話をいただきました。
「いつか、自分の思い描いているお店をやりたい」—— そんな長年の想いを近江さんは「久遠プロジェクト」と銘打ち、信頼する仲間たちと共に創り上げていきました。コンセプトは「道楽=自分が楽しく過ごせる場所」。お客様とおいしい料理・お酒、楽しい会話を楽しめる場所にしたいという、近江さんの想いや生き方に、暮匠が思う店主像も重ね合わせ、ご提案しました。それを全て受け入れてくださり、建築中も現場で対話をしながら造り上げていきました。
一番のこだわりは、高級感あふれる「トイレ」。しかし、ここは来店されたお客様のみご覧いただける空間なので、ぜひ足を運んでみてください。完成した店舗を見て、「いいね」と大変気に入ってくださり、私たちにとっても深く心に刻まれた特別なプロジェクトとなりました。
【ベストショップ砺波2022グランプリ受賞】
*割烹久遠 https://kappokuon.com
*インスタグラム https://www.instagram.com/japanese_style_kappo_kuon

非日常を楽しめる空間
無垢の木をふんだんに使用した店内。深い色合いの床材や、シックなグレーの塗り壁でデザインし、温かみのある落ち着いた雰囲気に。厨房の床を一段下げることで、お客様と目線を合わせながら調理や会話ができるようになっています。

圧巻の一枚板カウンターテーブル
店主がどうしても実現したかった、希少材である一枚板のカウンターテーブル。重厚感のある「ブビンガ」を使用しています。共にプロジェクトに携わった建具屋の木香美さんが探し出し、暮匠も加工工程に参加。全てのお客様の顔が見えるようL字に配置しています。

職人技が光る組子細工欄間
厨房の背面に、伝統木工技術「組子細工」で作られた欄間を設置。建具屋の木香美さんによるもので、立山連峰をイメージした図柄がおしゃれです。光を当てることで、シルエットがくっきりと浮かび上がります。

高級感のある大判タイル
厨房側の壁一面に、漆喰の壁と同じダークブラウンのタイルをあしらいました。空間に華を添え、高級感を演出します。店内のあちこちに職人の技や遊び心がちりばめられているのも、このお店の魅力のひとつです。

ホテルラウンジのような前室
お食事の前のひとときを楽しんでいただく、おもてなしの間です。壁には、波模様やモザイク柄のデザインウォールを使用し、間接照明の灯りが木の温かな表情を引き立てます。これから始まる特別な時間への期待を高めてくれる、心落ち着く空間です。